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山ちゃん(yamachanonline)が選ぶ2003年の10枚
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がんばって2003年発売の中から選びました。スケっチショウやポラリスなど、気になるけど未聴なのもいっぱいあるのが心残りですが、いちお、僕の聴いた中での10枚ということで。惜しくも選にもれたのはジャズトロ、トミー・ゲレロ、ビギン、レディオヘッド、ヨラテンゴ、マイスパレード、HIMといったところでしょうか。今年は嗜好がどんどん変化した年だったので
(おおまかな流れで言うとテクノ→エレクトロニカ→ポストロック→クラブジャズ/フューチャージャズ→ハウス)
あれもこれも興味が尽きず、ホントいっっぱい聴いた。 2003年発売作に限らず今年僕がよく聴いたものということで選べばまたまた違ったセレクションになると思うんだけどね。
いやしかし聴いても聴いても聴きたいものは次々現れる。 深すぎる。楽しい。 |
yamachan selection / 2003 best10 |
03年作 |
なんの前情報もなくHMVで試聴して買った1枚。
以降どんどんハウスに傾倒するきっかけになりました。
仙台を拠点にDJ、作曲活動をしているFreetempoこと半沢武志の1st
アルバムは、須永辰雄も絶賛。ポストFPMの呼び声も高い本作は、ラテン、ボッサ、ソウル、ディスコ等が程良くブレンドされた一枚。この人は生音と打ちこみのバランスが絶妙だと思う。弾けるようなリズムに生ギターの音色がめちゃめちゃ気持ちよいのです。
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03年作 |
今でこそCALM大好きなんて言ってますが、コレはじめて買ったときは地味にしか聴こえず埋もれてました。非常にスピリチュアルな空気をもつ音です。全編ひたすら穏やかなサウンドエスケープ。朝もやの中、桃源郷を歩いているような気分になります。
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03年作 |
日本人であることを感じさせてくれながら、ワールドワイドであって。
こういうスタンスは素晴らしいと思う。
CM曲やらゲームのテーマ曲やらで注目が集まりつつあるYaeの2nd。ワールドミュージックを基調としたもので、程よくポップなボーカルアルバム。音響系のJUANA
MOLINAが参加したりしてるけど、基本はギター・ピアノ・ヴァイオリン・パーカッション等のシンプルなバックトラックにYaeの透明感のある声を前面
に出したアレンジ。クセがなくとても綺麗なボーカルです。でありながら力強い。癒し系という括りでは収まらない、崇高な雰囲気があります。日本版エンヤみたいな。素晴らしいです。畠山美由紀とか好きな人は気に入ると思う。で、実はこの人、加藤登紀子の娘なんだって。そういう豊饒なバックグラウンドもあるのねとなんとなく納得。個人的には元ちとせにもこういうスタンスで歌って欲しいんだけどなー。
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03年作
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屋久島の水、森、空気の音。自然に呼応する人の鳴らす音。
井上薫(Chari Chari)参加というのが気になって何の前情報もなしに買ってみたのですが、こりゃヤバいです。イっちゃってます。屋久島での1ヶ月に及ぶフィールドレコーディング。小鳥の鳴き声、波の音、水の滴る音など150に及ぶ音の素材を素にDJ
KeNsEiがリズムトラックを制作。完成したトラックに 井上薫によるギター&ベースに加え、GoRoがディジリドゥーやカリンバ
などをミックス。大自然の息吹きと、自然に対する畏敬の念が感じられるトライバルで超チルアウトな壮大なサウンドは、屋久島の原風景が目に浮かぶようです。そして本作、太っ腹なことにDVDも付いてるのですがこれがまたすごい。CD収録の9曲に合わせた映像作品が切れ目なく流れるのですが、こちらも屋久島の自然を写
したあまりにも美しい素材をベースに神秘的で幻想的な世界を見せてくれます。
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orientarhythmo
De La Funke |
03年作 |
ボーカリストYURAIとIDEEこと井出コウジによるユニット「De
La Funke」のデビュー盤。YURAIはNYハウスミュージックシーンのカリスマJEPHTE
GUILLAUMEに見い出されJAZZTRONIKのヴォーカリストも勤める実力派。IDEEによるファンキーなサウンドにのせて、ソウルフルでポジティブなマインドのうたごえを聴かせてくれます。ジャケットのように晴れた空の下で踊り狂うのが似合いそう。ファンキー!盟友JAZZTRONIKによるMIXの他、Joe
Claussellによる素晴らしいMIXも収録。 オフィシャルサイトで全曲試聴できます。
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Silence in the Secret Garden
Moodymann |
03年作 |
こういうハウスも好きになりました。男っぽいハウス?
ケニー・ディクソン・ジュニアことムーディーマンの4枚目。ジャズ、ソウル、ディスコ、ゴスペル等のエッセンスを感じさせる黒いハウスは健在。とてもストイックな雰囲気でありながら、相変わらず肉感的で艶っぽいビートを聴かせてくれます。
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03年作 |
今いちばん好きなクラブジャズ系からはコレを。
Nina SimoneやElla Fitzgeraldなど名門レーベルVerveの音源を有名DJ/アーティストが怒濤のリミックス。まさにクラブ/ハウスジャズな音ですが、古い音源を素材にしているだけあってあたたかみがあるというか、生っぽい手触りが活きていて大変よいです。リミキサー陣はマシュー・ハーバート、モンド・グロッソ、KOOPなどなど。vol.1もあります。またリミックスされた音源の元うたを収録したVerve
Unmixed(こちらAmazonでなんと500円くらいで買えます)も出ていますので合せて聴くと楽しいです。///後日、Unmixedも聴いてみました。こりゃ原曲も良すぎ!!こんな最高の素材に腕のたつシェフで悪いわけないっす。
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Goodbye Swingtime
The Matthew Herbert Big Band |
03年作 |
ホントは「BodilyFunction」のほうが好きなんだけど03年作のコレを。
名義まで「The Matthew Herbert Big Band 」と銘打っているだけあって、いつものハウスぽさは影を潜め、ぱっと聴いた感じはいかにも生バンドによるジャズ演奏ぽいです。正直、最初はちょっと退屈かな〜と思ってまたしばらくCD棚にしまっておいたのですが、よく聴いてみると生演奏の背後にハーバートならではの音響が施されていてなかなかおもしろい。でもやっぱり気持ちよさは前作のほうが上かな〜。ちなみにサンプリングされた歌詞はノーム・チョムスキーやマイケル・ムーアなど反戦の論客の著作から引用された、非常に政治的な内容なものだそうです。
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03年作 |
これ、ACOに対する見方が変わりましたね。
悦びに咲く花〜それ以前のイメージでいたらとんでもないことになってました。音は大胆なエレクトロニカ(mumも参加)で実験的かつ刺激的。しかしそれにもまして素晴らしいのはbjork〜enyaなんかに通
じる崇高な精神性です。エンヤのように(たぶん)多重録音されたうたも凛とした佇まいで、聞き手をグっと引きこむ力があります。傑作。
買ってすぐにふたりで車で聴いたんだけど、1枚聴聴き終えるまでふたりとも一言も発することなく、この世界に引き込まれたもの。
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03年作 |
大阪の3人組。これはなんでしょう、タイトルの通
りあわあわな感じ? 水面に浮かぶ泡のように静かな旅をしているかのような、アンビエントなナンバー。アコースティックギター、トランペットが奏でる、いや奏でるというよりも「そこにある音」といったほうが近いかな、それらの上に、泡のようにパッとはじけてしまいそうな繊細なボーカル。悲しい訳ではないんだけど、どこか物憂気な...夜にひとりで聴くのがいいかと思います。ちなみにアップライトベース&ボーカルのmusika
easelさんは僕がネットをはじめた頃に知り合ったお友だちで、いくつかのバンド遍歴を経てここまで素敵なデビューアルバムを届けてくれたのはなんとも感無量
というか。なんとあの山本精一(ROVO)からもrecommendコメントが。あ〜僕もがんばらねばとか思うわけです。
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