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ホンダFOLK ETYMOLOGYが選ぶ2003年の10枚

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 2003年は、心を激しく揺さぶられるような音楽との出会いのない心穏やかな年でした。とはいえ、逆に出会いから数年(長いものは十数年)の歳月を経た アーティストの新作をゆっくりじっくり聴きこむ事が出来、改めて彼らの音楽の良さを知る事が出来た実り多い一年だったと思います。
 これをステップに、2004年は飛躍の年。新たな音楽との出会いに期待します。


honda selection / 2003 best10

こども
空気公団

03年作
 親になったら絶対子供に聴かせてあげたい。いつもそう思ってしまう空気公団の セカンド・アルバム。今作のタイトルを見ればそんな気持ちも一目瞭然、まんま そのまんま。
 全てのソング・ライティングを手がける山崎ゆかりの詩世界は、親から見た子供 の目線なのか、もしかするとまんま子供の目線そのものなのか。
 ゲストボーカルに七尾旅人を迎えた「音階小夜曲」が絶品。

or
Spangle call Lilli line

03年作
 前作から7ヶ月という早いペースで届けられた彼らのサード・アルバム。今回は プロデューサーにサロン・ミュージックの吉田仁を迎え、バンドサウンドを軸に、音や言葉の響きの美しさが十分に伝わってくる作品に仕上がっている。その反面 、終盤に向かうほど狂暴的なまでの迫力で聴く者の心を激しく揺さぶるなど、決して一筋縄ではいかない展開に。音の一部となっているボーカルと歌詞は、時に深読みしてしまうほどに断片的であるが、一語一語がむき出しであるがゆえに強いインパクト を放つ。このむきだしさこそが彼らの“今鳴らしたい音”の集大成であるのだろう。

Lido
半野喜弘

03年作
 様々なジャンルの音楽を手がけてきた音楽家、半野喜弘の自他共に認める最高傑作。
 レコード店でこの作品の帯を読んで思わず手に取った一枚。電子音と生楽器、声の アンサンブル、と聞くと、適度な調和と呼吸感を音にイメージしてしまうのだが、こ の作品に収められた一つ一つの楽曲は、想像以上に端麗で聡明で“生”という呼吸よりはむしろ “死”に近いような美しい静けさを感じる。死という境界を越えてなお永遠に続くかのような 無に近い安堵感がアルバム全体に漂う。引き際も見事。

Family
Polaris

03年作
 もはや(好き過ぎて)客観的なコメントなど書けなくなってしまったポラリスのセカンド。 結成当初の作品から続いてきたダブ・ポップ感は、2003年に入ってから少しづつよりポップで親しみやすい“うた”を聴かせる音作りにシフトしてきているように感じる。 とはいえ、インストやギター、ベース、ドラムが織り成す美しいアンサンブルは健在どころか更に迫力をも兼ね備え、聴きどころ満載。極上のポップ・アルバムとはこういう作品 の事を言うのだろう。

Fictional World Lullaby
Spanova

03年作
 3作目までは“ジャンルレス”な音楽だと思っていたスパノヴァの5作目。4作目で見せた シカゴ音響派へのアプローチ、企画物的な模索にも近い音作りへの挑戦がはっきりと形として現れた今作は、進化し続けている彼らのリアルタイムの音を十分に堪能出来るものである。
 作品のテーマとも言える“反戦”に対する彼らなりのアプローチは、言葉以上に音とノイズが織り成す楽曲の迫力からも十分に伝わってくる。

film,silence
Nathalie Wise

03年作
 スタジオ音源やミニ・アルバムを含めれば3作目となるナタリー・ワイズの今作 は、より“言葉”と“歌”そしてメロディーが絡み合った、独特な歌ものとしてのジャンルを確立している。
 ビッケのスポークンワーズと高野寛の歌との絶妙な調和が、曲の一つ一つを物語として仕上げ、語りかけ、心穏やかにしてくれる。
 かつて思春期に心躍らせて聴いたそれぞれの音を振り返りながらナタリー・ワイズ を聴くと、3人が作り上げた音の豊かさに、駆け抜けるように過ぎ去った十数年という時間の経過も「大人になるのも悪くない」と思えてしまうほど、至福の時間を与えてくれる、 そんな作品である。

The World Is Echoed
FREETEMPO

03年作
 みんな待ってたフリーテンポのファースト・アルバム・これまでのミニ・アルバム や イルマレーベルでの作品の集大成プラスαが凝縮された一枚となっている。
 彼の魅力は何と言っても(打ち込みと生音の融合による)軽快なリズムとボーカル をフューチャーした楽曲の美しさ、そして作品としての完成度の高いバランスの良さ。
 近年巷には数多くのジャズ・ボッサなクラブ系音楽が出まわっているけれど、彼の作る音楽は他のそれから明らかに頭二つ突き出ている、そう思う。

Stix
JAGA JAZZIST

03年作

 “ジャズってよくわからない”という先入観や固定観念をいとも簡単に崩してくれ たDCPRGを始めとする国内でのジャズ熱と並行して、世界各地でクラブ・ジャズが盛り上がったここ1〜2年。北欧代表ジャガ・ジャジストの今作は、10人編成での ダイナミックなホーンと美しく且つ力強いメロディーが印象的。機械的なリズムの中においても、各プレイヤーが思い思いにアドリブを聴かせるところはまさに圧巻。
 気候的に似ている(?)この地(米沢)で聴くと、寒空の下で響くホーンはまた格別 。


Wunder
Wunder

98年作
 98年リリース。けれど、私が2003年に出会った最高のエレクトロニカ。
 ドイツ、ケルン在住ヨルグ・フォラートの別名義による作品。“フォーク・エレクトロニカ” と称される彼の音楽は、今でこそビートレスな電子音楽も珍しくないのだが、5年も前にリリースされているとなると、当時はかなり話題をさらったようである。
 生音かのように聴こえる柔らかな打楽器やピアノのメロディーも、適度なリズム感と共にWunderというフィルターを通 すと、独特の音楽として呼吸を始めるかのよう。
 エレクトロニカって果てしなく美しい、素直にそう思える貴重な作品。

helix
SUZUKISKI

03年作
 常に自分の作りたい音に対して正直なSUZUKISKIの最新アルバム。彼の作り出す エレクトロニカもまた、近年はビートレスなものが多いのだが、日常の音(例えば子供の遊んでいる風景や鳥の囀り、生活音など)をサンプリングして、連続や不連続な音の空間に投げ出す事によって生まれるリズムは、機械的連続の「静」というよりむしろ血の通 っている「動」に近いものである。聴き手の想像力を最大限に高める絶妙な音の間合いが、純粋に音楽を楽しむという事を私達に教えてくれる。音の一つ一つをゆっくりと噛み締めて 味わいたい、そんな作品である。