Susumu Yokota / Wonder Waltz

この多作家が毎年のようにリリースする作品にいったい裏切られた事があったであろうかいやない。量と質の両面において底知れぬクリエイティビティを誇るこの音楽家は日本テクノ界の至宝と呼んでもいいんじゃないか。リリースの度に、嗚呼僕はこの人のファンで良かったと思うのである。
ここ数年(特に「Sound of Sky」以降)のヨコタ作品を端的な言葉で表すとするならば、“エレガント”。作品ごとにカラーを変え、常に音楽的探求の手を休めることの無いヨコタであるが、どの作品にも共通しているのは上品でストイックな、スピリチュアルな、それはまさしく彼特有の静謐な空気。その澄み切った“エレガンス”はもちろん本作でも健在である。
ソロとしては1年半ぶりとなるが、間にRothkoとの共作盤があったので久しぶり感は無い。むしろ、もう?ちゅう感じ。「Wonder Waltz」と名付けられた本作は発売前の前情報が殆ど無く、アルバム・タイトル名からおそらくヨコタ流ワルツになるのではないかと噂されていた。

Wonder WaltzWonder Waltz
SUSUMU YOKOTA


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
蓋を開けてみれば、まさしくその通り。全編3拍子による作品であった。とは言うものの全く違和感なくエレクトロミュージックにとけ込んでおり、3拍子なのかどうか音楽の知識に乏しい僕にはよく解らない。いつものように“エレガント”なヨコタがそこに居るだけだ。カヒミ・カリイ等をゲストボーカルに迎えても、その静謐な空気は変わらない。ヨコタの作品はいつだって革新的であると同時に、出来た瞬間にクラシックとなりうる普遍性を携えている。それが毎年ばこばことリリースされるのである。堪らぬ。
もっと多くの人に知ってもらいたアーティストだと思う。もしアナタが、レイハラカミが好きで未だヨコタを聴いたことが無いというならば、是非一度彼の音に触れて欲しい。
関連:試聴(CISCO RECORDS)
ブログ内リンク:Susumu Yokota & Rothko / Distant Sounds of Summer
        SUSUMU YOKOTA / SYMBOL
        SUSUMU YOKOTA / Sound of Sky
        Susumu Yokota / Sakura
        SUSUMU YOKOTA / zero
        SUSUMU YOKOTA / 1999
        SUSUMU YOKOTA / 1998
        Prism / Metronome Melody
        Ringo / Plantation


投稿者 山やま : April 09, 2006 | コメント (0) | トラックバック (1)
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?






トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://under.moo.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/643

このリストは、次のエントリーを参照しています: 'Susumu Yokota / Wonder Waltz' , SINGSTYRO*musicblog.

Susumu Yokota - Wonder Waltz (Skintone:STR-11)
概要 Amazonで詳しく見る 日本のテクノ黎明期を支えた一人でもある横田進の最新作は、なんとワルツがテーマです。今までテクノ、ハウス、アシッド、アンビエント、ディスコ、エクスペリメンタルと数多くの挑戦をしてきましたが、誰がワルツをやるなんて想像出来たでしょうか...
ウェブログ: Tokyo Experiment
時刻: April 10, 2006 08:30 PM

関連商品