ひなた / 吉田修一

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極めて個人的な見解であり、ひょっとしたら的外れかもしれないが、吉田修一の小説を読むたびに思う事がある。読むたびにと言っても、本書を含めて4册(他に「パレード」と「パークライフ」「最後の息子」)しか読んでいないのであるが。それでも無性に思うンだよね。読んでいると。サニーデイ・サービスが聴きたい。って。

ひなたひなた
吉田 修一


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なぜサニーデイなのか。を論じる考察はめんどいし、よく解らぬので書かぬ。とにかくサニーデイなのだ。本書であれば「MUGEN」がよく合う。合った。聴きながら読んだ。
基本的に僕は、音楽における歌詞というものを殆ど聞かないので、サニーデイの「MUGEN」がいかなる内容を歌っているのかよく知らぬけれども。トーキョー。若人。日常。ふわふわとした日常。ふわふわとした日常に潜む狂気。も含めた日常。
なんとも言い得ぬ“不安定”な感覚が両者を結ぶ。何の変哲もない日常に見えながらも、どこかしらに不安定さを持っていること、つまり心のどこかに不安を抱えていること。しかし吉田修一の小説は決して暗くはならない。その不安さえも肯定する、というか不安定もひっくるめて“日常”なのだ。良いも悪いもない。読み終えた後はなにか釈然としないぬらぬらしたものが残る。不快ではない。愉快ではない。
しかし相変わらず読みやすい。


投稿者 山やま : April 10, 2006 | コメント (1) | トラックバック (0)
コメント

…と、昨年書いた「パレード」の記事を読み返してみたら、同じく「MUGEN」を聴きながら読んでた。だはは。

Posted by: 山やま : April 10, 2006 08:55 PM
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