小川未明童話集

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私はこの人の事を何も知らなかった。なにせ名前もはじめて聞いたのだから。
小川未明(オガワミメイ)。
戦前の日本児童文学界最大の存在だそうです。なぜ今まで知らなかったのか。珠玉の童話集である本作を読み、己の無知を嘆いたのであります。夏の文庫フェアとYonda?パンダに感謝。
「グリム、アンデルセンとも比肩する児童文学」という看板文句も大袈裟ではありませぬ。むしろ日本語の美しさを携えた小川未明の作品は、静謐で端整な輝きを持っております。これは日本の言語と文化を解する我々にしか味わえないものであり、なんと贅沢な事でしょう。

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小川 未明


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「赤い蝋燭と人魚」「野ばら」「金の輪」など、一編が拾ページにも満たない、ささやかでつつましやかな短編ばかりが収録されてあります。明るく楽しい童話ではありませぬが、ていねいな文体で語られるお話からは、やさしさや哀しみといったものがじんわりと心に沁み入り、読み手の創造力を感化させるような、そんな魅力に溢れています。いやまじで宝物を少しずつ読み解く気分。うふ。
関連:小川未明について(小川未明文学館)


投稿者 山やま : July 31, 2006 | コメント (0) | トラックバック (0)
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