「テクノ」という括りは実はよくわからない。「テクノ」と聞いてどんな音を思い浮かべるだろうか。機械で作った音楽?じゃぁエレクトロニカは?キックの効いた打込み?ハウスとどこが違うの?ピコピコ?YMO?それはテクノポップじゃない?電気グルーヴ?うん。電気グルーヴだね。 とまぁ、おそらく人によってイメージする音が異なるであろう、曖昧なジャンルであるよなと僕は思う。
専門家(野田努)の著書によれば、ドイツのクラフトワーク等エレクトリック・ミュージックの先駆者はあったにせよ、80年代にケヴィン・サンダーソンがデトロイトで鳴らした音がテクノの始まりであるというのがひとつの定説である。テクノが生まれた現場というものを想像するだけで僕たち男のコの鼓動は熱くなる。そこから流れてきた音はきっと誰も聴いた事が無くて、アグレッシブで、エキサイティングで、僕たちを未知なる宇宙へと誘うものであったに違いない。今となっては“機械を使った”という形式だけの疑似テクノが(トランスやらジャングルやら何やらと様々に名称を変えながら)山のように存在するわけだけれども、そもそもテクノはその発祥においては、非常にエモーショナルで肉感的なものであったのだ。
オランダ・ロッテルダムの若き新星、ヨリス・ヴォーンによるデビュー作「Future History」(04年)には“テクノが本来持つ魅力”が見事に凝縮されている。こんなサイコーなテクノ・アルバムには滅多にお目にかかれない。
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このアルバムを聴くとわかる。なぜテクノがジャンルとして曖昧なイメージになってしまうのか。それは、テクノが音楽的には勿論それ以外にも多様な要素を内包しているからなんです。きっと。少なくとも僕が心動かされるテクノ・ミュージシャンはそういう幅広い資質を持っていると思う。たとえそれが一作品の表面上には出ないとしても、その資質は余裕を生み、クオリティを生む。
関連:試聴(disk union)/試聴(CISCO RECORDS)
ブログ内リンク:ブラック・マシン・ミュージック / 野田努
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