珠玉のメロディと珠玉のハーモニーが瑞々しい演奏によって紡ぎ出される。
95年、ジェイホークスはこの奇跡のような1枚を生んだ。ブリットポップやらデジロックやらでロック周辺が賑やかだった頃である。メディアもシーンを盛り上げた。僕もオアシスやレディオヘッドやジョンスペに夢中だった。その喧騒の中でぽっかりと時が止まったかのような清涼感を持ったバンドが彼らだった。当時は夢中になる程でもなかったが10年経った今、その魅力は以前にも増して見える。
インディーズ時代の彼らはオルタナカントリーと称されていたそうであるが、今作で聴くことのできるのは一切のギミックを取り去りギターとボーカルをメインにしたシンプルなバンドサウンド。単純にフォークと言っていいぐらいの。それでは何がこのアルバムを傑作たらしめているのかといえば、マークとゲイリーの2人のボーカルによるコーラスワークである。なんと汚れのなきハーモニーであろうか。
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