告白 / 町田康

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ようやく読み終えました。ふう。

町田康、最大の長篇にして最高傑作と呼び声の高い『告白』。河内音頭で知られる河内十人斬りを題材に、人はなぜ人を殺すのかを問う衝撃作。と聞くと、えらいシリアスな話ですな、と思いますが、町田節は変わらず。テンポよく小気味の良い文体で、熊太郎に降り掛かる数々の受難(?)が語られます。この人の、人を喰ったような変態的文章が僕は大好きですが、いかんせん、700ページ近くあるものですから、少々クドい。熊太郎が思弁的ゆえに他人の誤解を生みずるずると堕ちていくちゅうのが話の核になってるわけですが、熊の思弁を説明する文章がとてもクドいのです。

告白告白
町田 康


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町田作品の主人公はだいたいそうですが、今回の熊太郎も、うだつの上がらないどーしようもなくダメな輩。でもいつもの町田作品に比べたらだいぶシリアスですよね。苦悩してるもんね熊は。随分とまともですよ。
中盤中だるみしちゃうのを我慢して読み進めば、後半の怒濤の展開が待っています。そしてラストがすごい。最後の最後になって、それはもう後戻りも出来ない程の最後になってしまって、熊が発した台詞、それがつまり「告白」というわけですが。これが何とも言えんかったですわ。この台詞のために今までの700ページがあったのだと。決して最後から読まないように。
ボリュームと共に読みごたえのある本でした。
関連:作家の読書道:町田康(WEB本の雑誌)


投稿者 山やま : May 20, 2006 | コメント (0) | トラックバック (0)
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