くっすん大黒 / 町田康

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大黒と言っても、日本代表大黒将志の事ではない。七福神だか何だかの神様である。大黒様。その大黒様がくっすんとは何ぞや。さっぱり中身が予期出来ぬタイトルであるが、ナントもソソる響きである。
町田康の小説を読むのは初めてだ。町田町蔵としてパンクなミュージシャンという人物像が先行していた私は、切れ味鋭いナイフのような小説を予想していた。ナイフ小説はちょっと…と敬遠していたのだが、処女作にして大きな反響を呼んだという本作をモノは試しと図書館で借りてみたらば、その先入観は完全に覆された。ぶわっは。何じゃこりゃ。

くっすん大黒くっすん大黒
町田 康


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パンクだ。確かにこれはパンクだ。しかし、ナイフみたいに尖っては触るもの皆傷付けるパンクではない。頭の良い、ユーモアに満ちたパンクだ。こういう馬鹿な小説は好きだ。とにかくリズムが素晴らしい。町田節とでも云おうか、その独特の言語感覚たるや。リズム。このタイトなリズムは紛れも無くロック・ミュージシャンのものである。中身は大した問題でない。このリズムを感じる小説なのである。やほほ。
関連:町田康オフィシャルサイト(日記等)


投稿者 山やま : February 12, 2006 | コメント (0) |トラックバック (0)
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