April 08, 2006

ricomark.gif コクトー

[ notes ]

学生時代の友達から久々にメールが。今は盛岡で暮らしている彼女が、「岩手県立美術館でジャン・コクトー展が始まるよ!」とわざわざ教えてくれたのでした。
学生時代、ある一枚のドローイングを見てからジャン・コクトーの作品に魅かれ、伊勢丹美術館、その後のBUNKAMURAで開催された展覧会を見てさらにハマり、学生時代に何度かレポートを書いたのでした。本当は好きなファッションデザイナーを一人選んでレポートを書かなければいけなかったのだけど、どうしてもコクトーについて書きたくて、一時期バレエの舞台衣装を手がけていたというのを理由としてそのテーマを認めてもらったのでした。本当に多彩なアーティストだけど、私が特に好きなのはドローイング。着色したものもいいけど、モノクロで一気に描きあげたような作品が一番好き。一本一本の線が好き。
ココ・シャネルなどとも交流が深く、ベルエポックの華々しい時代に活躍したけれども、子供時代に不幸な経験をし、大人になってなお、数人の愛する人を亡くし、その後阿片に溺れた。(そして約10年後にシャネルの手によって中毒から脱した)それでも彼の作品には圧倒的な品があり、洗練されている。その矛盾というか、人間がどうしても必要とするもの、に引きつけられたのかな。
久しく作品集も開いていないけど、今見たらまた違うように感じるんだろうね。ここはあえて過去の作品集を開かずに、直接盛岡で作品を鑑賞しようと思う。
こんなふうに過去が巡ってくるって悪くないよね。いろいろ思い出しちゃった、ほかにもハマったいろんなアーティストのこと。ふふ、楽しいよ。

もう一人、学生時代にハマったデザイナー。
マドレーヌ・ヴィオネ。バイアスカットを考案した天才です。「女性が笑うとき、そのドレスも笑うように作らなければ」という言葉にノックダウンでした。ほかにもヴィオネローズと呼ばれる繊細で美しいコサージュや、高度な技術に支えられた斬新なカッティングなどなど。到底まねできるような技術はなかったけれど、相当憧れて、必死になってバイアスにカットしたオーガンジーを縫ったりしていました(先生には「もっと丁寧に縫えよ!」と怒られたけど(笑))
私はどうやら20年代の文化や服飾が好きだったようです。なので、トレンドをばっちり押さえました!みたいな服には学生時代からあまり興味がなく、どちらかというと舞台衣装とかの世界が好きでした。デザイナーで言えば内藤こずえ(今はひびのこずえ)、アンテルリネエールなど。アンテルリネエールは、流行通信に載っていたページの美しさにノックダウンされて、店に行くようになり、たまたまいらした常務さんに熱意だけは(笑)伝わったようで、ファッションショーのフィッターをやらせてもらったりしました。当時既にバリバリのトップダンサーだった首藤康之さんと真堂藍さんが出演していて、それぞれのシーン毎にまず二人の短い舞台があり、その後にモデルがランウエイを歩くという演出でした。出演前の二人の緊張感といったらもうものすごいもので、そのオーラに圧倒されたのを覚えています。その時舞台で流れていたのはエディット・ピアフの曲。舞台袖からしか踊りを見ることはできなかったけど、涙が出る程感動しました。ダンサーって、美しいなぁと。素晴らしい経験でした。

投稿者 リョコ : April 8, 2006 11:03 PM | トラックバック



コメント

コメントする









名前、アドレスを登録しますか?