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立紙篇







 
池澤夏樹さんの本
池澤夏樹
1945年北海道帯広市生まれ。埼玉大学理工学部中退。75年より3年間ギリシャに滞在。現在は沖縄在住。

Recommend


87年

スティル・ライフ
池澤夏樹


第98回芥川賞&中央公論新人賞受賞

大好きな本です。

 この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。でも、外に立つ世界とは別 に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。たとえば、星を見るとかして。
 二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過すのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果 があがるだろう。星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。__本文より


これは冒頭の2頁の文章です。
「僕」と佐々井にまつわる出来事を描いた物語自体は、特に大きく盛り上がるわけではなく淡々と語られます。佐々井のちょっと他の人とは異なる言動や、次第に影響を受けていく「僕」の様子、その根底にはこの冒頭のエッセンスが間違い無くあります。それはもちろん池澤さんの基盤にあるものなのでしょう。
文中に雪が降るところの描写があるのですが、ここの美しい文章を読んだ時にものすごくゾクゾクしたのを覚えてます。まるで自分が「僕」になったかのような、気持ちの良い感覚でした。ラスト、えっという感じで飄々と終わります。読後感が爽やかで、サラリとした気持ちになれます。

池澤さんの文章は、とても透明感があり、理知的で、優しい。
「しなやか」という表現がぴったりくる。
とても好きな作家です。

あ、短い話なので読みやすいですよ。
(山ちゃん)



89年

真昼のプリニウス
池澤夏樹



(山ちゃん)





バビロンに行きて歌え
池澤夏樹



(山ちゃん)



92年

南の島のティオ
池澤夏樹


小学館文学賞受賞

(山ちゃん)



02年

新世紀へようこそ
池澤夏樹


彼らには武器がある。僕たちには言葉がある。 「同時テロ」から、日本人は何を知るべきなのか、考えるべきなのか──世界中で読まれている話題のメール・マガジン待望の単行本化! [コラム51本+返信67本+書き下ろしコメント]

(山ちゃん)



03年

イラクの小さな橋を渡って
池澤夏樹(著)、本橋成一(写真)


2002年11月、 査察直前のイラクに2週間滞在した池澤夏樹と本橋成一が、この国の普通 の人々と出会い、これまでほとんど知られていなかったその暮らしを伝える写 文集。
「自分と家族と隣人たちが安楽に暮らせるように地道に努力すること。それ以外に何があるか。まだ 戦争は回避できるとぼくは思っている」(池澤夏樹)



(山ちゃん)