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■小林紀晴さんの本
小林紀晴さんの本は、一時期夢中になって読みました。 私は結局旅には出なかったけれど、小林さんの本を読んだことで、ちょっと旅にでる人たちの気持ちを垣間みることができたような気がする。

Recommend





遠い国
小林紀晴


70年以上も前に同じ様に旅をしていた、金子光晴の本を辿るようにして、世界各地のインドコミュニティーを巡り歩いた旅の記録。同じ場所に立って、そこに何かが焼き付いて残されてはいないか、と願うような気持ちが伝わってくる。

人が、「越境するということ、交わるということ、そして逆に交わらないということについて」 思いを馳せている。彼が思う「遠い国」が、インドなのか、日本なのかはわからないけれど、常に越境していたい著者にとっては、「遠い国」こそが、求め続ける場所なのかなと思った。





days new york
小林紀晴


好きでも嫌いでもないnew yorkで生活した日々について書かれている。同時多発テロを目の当たりにしながらも、「撮りたいのはこんなものじゃない」と感じたというのは、なんだか考えさせられる。帯には「平凡のゆくえ」という言葉が入っているんだけれど、彼が撮りたいのはいつだって日常の何かなんだという。

ただ、ニューヨークにいてもやっぱり彼が思いを馳せるのはアジアやインドやチベットで、チベット人の集まる祭りに偶然遭遇したりする。きっと、好きでも嫌いでもない土地での生活が、本当に求めている場所を際立たせるのかな、と思う。次回作が早く読みたい。




ASIAN JAPANESE 1/2/3
小林紀晴


この本が、最初に読んだ小林さんの本です。 何の情報もなく、ただ表紙の写 真の女の人の表情に惹きつけられて、買ったのがきっかけ。今思えば、彼は本来(というか本業)はカメラマンなわけで、私はその写 真に魅せられたということなのでしょうね。

小林さん本人がアジアを旅していくなかで出会った日本人の人たちへのインタビューが中心です。人それぞれ、目指すものや、探しているものがあり、そのために一人で旅する姿はとても美しいと思いました。結局は自分の内へ向かう旅ということだけれども。 この本に収録された人たちは、今ごろどこにいるんだろう。何かを見つけたんだろうか、なんて思ったりもしながら、今でもたまにパラパラとめくったりします。

生きることに真剣な人たちの旅の軌跡です。





小説家
小林紀晴


現在小説家として活躍している14人の作家へのインタビュー集。 おそらく小林さんが今もっとも知りたいこと、「何故、書くのか」ということをそれぞれの作家に聞いています。書くことの理由...、確かにそれは気になる。

収録作家は、村上龍・山田詠美・椎名誠・藤沢周・鈴木清剛・清野栄一・角田光代など。






japanese road
小林紀晴


ASIAN JAPANESE 3 でアジアから沖縄にたどりついた著者が、今度は南から北へと、日本を旅した記録。同じ日本人でも、沖縄の人間と、北海道の人間では違いはあるのか。 私自身も東北で生まれ育ち、その後10年間東京で生活してきて、いろんな出身地の人と出会いましたが、やはり生まれ育った土地の持つ気質というのはあると思う。 もちろんそれが全てではないし、東北で生まれても、沖縄の方が生きていきやすい人もいるわけだけど。この本を読んだころ、ちょうど自分自身の生きていく場所はどこなのか、ということを考えていた時期でもあって、とても印象に残る一冊になりました。 結論は、自分なりには出たと思ってます。 ちなみに、この本の帯には、「ここではないどこかへ」というコピーが載っていたのですが、そういう思いを持っている人はたくさんいるんだと思う。

都会にいても、田舎にいても、「ここが自分の生きていく場所」と言い切れる人はかっこいい。私もそうなりたいと思った。みんな、それを探して旅をしているんだろうな。





TOKYO Generation
小林紀晴


東京という街で一つの時代を過ごし、この街で小説を書いた人たちが生きた場所を旅したもの。大宰治・宮沢賢治・石川啄木・中原中也・寺山修司...。

感想は、なんだかうまく書けませんが、こういう視点でこれらの小説家たちの生きた世界をみるのも面 白いかもしれません。





東京装置
小林紀晴


東京という街は、まるで装置のようだ、という視点で書かれた本です。 確かに、これらの写 真を見ると、張り巡らされた電車の高圧線や、規則正しく続く信号は、装置と呼べるかもしれない。東京で生まれ育った人にとっては、もちろん愛すべき街なんだろうけれども。装置は、いつも止まらないで動いている。その中で暮らす人たちも。 その装置にうまく組み込まれなかった人たちが、道端にころがっている。でももちろん、その装置の中には、血の通 った人間がいるから、東京装置にも、血は通っていると私は思うけれど。